「おい、銀髪。」
「…」
「銀髪?」
「…」
頬杖をついたまま、動こうとしないウィングにホセは首を傾げた。
目は開いているから寝ているということはないだろう。
アクアはそんなウィングに頭を預けて寝ていた。
「銀髪。」
「…」
なんだ、天使というものは目を開けたまま寝るのだろうか?
それとも死んでる?
瞬き1つしないでこちらを凝視してくるウィングに一種の気持ち悪さを覚えながら、ホセはその視線から外れようとした。
「…」
いや起きてるし死んでないだろこれは。
その色素の薄い瞳は、横に移動してホセを追う。
一応飛んだり跳ねたりしてみたが、上下左右前後に動き回った。
気持ち悪りぃ…
息すらしているかどうか怪しい。
最高に気持ち悪い。
「お、おい銀髪?」
こいつ瞬きとかしないのだろうか?
すげー気持ち悪い。
ホセはドン引きしながらそっと頰をつついてみた。
「…?」
全然反応しない。
やっぱり死んでるんだろうか、とホセが考え出した。
その時。
「おい。」
「うふぇっ!?」
変な声を上げて、ホセは後退した。
「さっきから狂ったような動きしてたけど大丈夫なんか?」
「お前こそなんか死んだような感じだったけど…」
「ぼーっとしてたの。」
ぼーって、ホセはドン引きした。
なんかに憑かれてたぞ。
「つか、お前仕事ねーの?すげー暇そう。」
「しばらくはな。」
「ふぅん。」
「俺たちも捕らえられてた奴らは全員助けたっぽいしな。」
「なんで捕らえられてんのさ、そもそも。」
「金だよ。」
ニヤ、と笑ったホセはその後ゲラゲラ笑った。
「吸血鬼を恐れてんのに、その一方で喉から手が出るほど欲しがってる。」
何もかも馬鹿馬鹿しい。
馬鹿馬鹿しいし、腹立たしい。
「悲劇の喜劇さ。」
ミュージカルの台本でも書いてみようか。
さぞかし人気が出るだろう。
誰だって笑うだろう。
※この話はフィクションです。実際の人物、団体には関係ありません。
「ククク…はははは!!」
狂ったように笑ったホセは、壊れたように泣いた。


