一言で言って、戦場は惨状だった。
血飛沫と死体が溢れ、今にも壊れそうな命が激しくぶつかり合う。
死は全員の側で死を囁き、それに耳を傾けたものから倒れた。
「さて、仕事だな子猫ちゃん。」
「子猫ちゃん?」
「お前のことだよ。」
ホセは悪戯に微笑んで、アクアの頭を撫でた。
「頼りにしてるぜっ!!」
『主様!!』
『主様だ!』
『やった主様!』
手前の軍勢は歓声を上げてホセを迎えいれる。
相手は驚いたように、一瞬退く。
その隙を逃さず、ホセは瞬時に最前線一列の傭兵を全員惨殺。
「クク…楽に死にたきゃじっとしてろよ…」
「っ!」
『全員引け!邪魔だ!』
単身敵地に飛び込んだホセはそう言って、身を躍らせた。
飛び交う銃弾を避けつつ。
不敵に笑って宙を舞う。
控えていた鬼族は既に退避の構えを見せて、その指示を飛ばす間もなく傭兵と奴隷は死んでいく。
先ずは頭潰すか。
鬼族を狙い、ホセはちろりと唇を舐めた。
道具などはいらない、銃も剣も盾も。
この身1つのスリル。
たった1つの心臓を撃ち抜かれたら、問答無用のゲームオーバー。
ゲージなんかじゃ表せない負傷。
瞬時にそれらは癒えるけど、痛みは興奮材料として血を沸騰させる。
ゾクゾクする。
ハイリスクというスリルが堪らない。
命を賭けたチェスゲーム。
「ああ…」
戦闘中毒だ、ホセは自分のことながらそう思った。
心の底から好きなのだ、命を削る争いごとが。
命で命を刈り取る感覚。
空を飛んだようなそんな感覚と共に、やがてホセは地上に降り立った。
「…」
そこは見たわす限りの、血の海だった。


