☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-




「さあ夜だ!」

「…」

飛び起きたホセの金色の瞳がギランギラン輝いている。


『主様!』

さっそく飛び込んできたのは、推定3、4歳の男の子だった。

その男の子はえらくボロボロで、頭から血を流している。

『?』

『援護をお願いいたします!』

『そういえばクォーツ達は?俺は今寝起きだけど。』

『もう既にいます、それに何人か殺されたんです…主様…僕も何とか抜け出して来ました、すぐに戻らないと。』

『数は?』

『鬼族だけじゃないんです、奴らの奴隷に他の華族、傭兵まで混ざって』

『じゃあこいつらも連れて行くか?』

ぐ、ホセは背後にいるアクアとウィングを指差した。

「お前ら、戦闘能力は?」

「え?あるっちゃあるけど…いや何で?」

「一応あるなら問題ないな。お前ら戦えよ。多分これが最後の特攻だろうからさ。生き残ったら幹部にしてやるよ。死んだら墓掘ってやる。」

「嫌だよ!!何で俺たちがっ!」

「私は良いですよ。お兄ちゃんの役に立つなら構いません。」

「おいアクア!」

首を傾げて頷いたアクアを、ウィングは止める。

「こいつのことだお前死ぬぞ!」

「別に死んだって構いませんよ?お兄ちゃんの役に立つなら。」

「良い度胸だな水色髪。さて俺に妹はいなかったと思うが。」

「良いんです。お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん。」

「そうか?」

ホセはそう言って、踵を返した。

『案内しろ。』

はい、と頷いて走り出す男の子にホセは続いた。

「ついて来い。」

アクアは従順に従い、ウィングに手を振る。

「それでは、生きてたら会いましょう。」

「おい死ぬなよ。俺が赤髪に殺される。」

ホセは振り返ってそう言った。

「えへへ、ちゃんと止めますよ。」

「約束だ、破るなよ。」

「分かってます。」

きゅるきゅる笑うアクアに、並んでホセは笑う。


「…」

兄妹だな、ウィングはそう思った。


表はまともに関わろうとしないから、裏は絡みに絡む。

でもこれがきっと、本来のあるべき姿なんだと思う。

これがこの兄妹の異常で普通な関係。


「…馬鹿馬鹿しい。」

俺は、幼い弟の為に命を投げ出すなんてできない。

実際、できなかったし。