「貴方はついて来なくて良いんですよブロウ。」
「お前はもう忘れ去られているであろう俺の本名をまあ微妙に発音を違えて呼んでくれるな。」
「いけませんか?」
貴方の名前は特徴的ですからね、と黒髪の青年が言った。
「427ですら俺の名は呼ばないのに。」
「じゃあやめておきましょうか?まるで特別な関係みたいですから。」
吐き捨てた青年は、隣にいた青年を睨む。
「帰っていただけますか?」
「427は俺の物だ。」
「L君は貴方の物ではないと思いますが?」
「馬鹿言うな…ロボットのくせにでしゃばるなよ。」
「へぇ、そのロボットに殺されたいようですね?」
「俺とお前じゃ格が違うんだぜ?人間様に逆らいやがってこのドッグロボット。」
「よほど私に殺されたいんですね。まだお若いんですから死に急ぐこともないんですよ?」
「はは、1000歳以上俺の方が年上だ。クソガキ」
「悪魔の平均寿命は300年ですが?ついに悪魔じゃないと言い出すんですね?」
「ククク…口が滑ったんだよバーカ。口外するなよ?」
「いいえいいつけてやりますよ私はドッグロボットですからね!!」
「じゃあここで殺す。」
「壊すんでしょう?このクズが。」
「ああそうだ悪かったな間違えて。」
玄関先で言い争う20代後半に見える青年二人はついに互いの得物を取り出した。
「覚悟しろ。」
「そっちこそ?」
「さあ殺るか?」
「望むところです…」
「敵のアジトで喧嘩おっぱじめんな。良い度胸じゃねーかこんな昼間に!」
蹴り込んで二人の得物を吹き飛ばしたホセは、ついでに近くにいた銀髪の方を殴った。
「今度から深夜にしろ!!!!」
『主様!!』
吹っ飛んだ方向にいた吸血鬼が慌てて逃げていった。
「L君!L君ですか?そうですよね!?よかった…記憶はありますか?」
「人違いですおかえりください。寝させてお願い眠いんです。」
「L君!私です、ゼロ=ブライドです!思い出してください!!」
「覚えてるから夜中に来てくれ眠いんだ。」
「ああよかった!」
「よくない眠い。」
勝手に盛り上がるゼロに、ホセはうんざりしてそう言った。
「いってぇ…おい427…俺を忘れたとは言わせねーぞ?」
「忘れた。記憶の彼方にある気もするけどなんかすげー蓋したい。」
「確かに裏人格と言うのが正しそうですね…L君、私の事は覚えているんですか?」
「散々赤髪を痛めつけた上に手の平返して優しくしてきたロボットだろ。」
「う…」
ゼロはビク、と怯んでその隙にホセは身を捩ってゼロから離れた。
「赤髪はお前の事よっぽど気に入ってんだな。はは、ただの金属になに思ってんだか。」
「…っ本当はそんなこと思ってたんですか…?」
「俺はそう思うけど?赤髪に言わせりゃ俺はクズらしいからなぁ?」
「本当に427か?随分可愛くない。」
銀髪、つまりアイスは楽しげにそう言った。
「逆に俺は何故赤髪を俺と同一人物と捉えるのか分からないな。肉体が一緒だからか?」
「L君は裏表が激しいんですね…」
「裏表じゃねーよ。側面。」
ホセは言って面倒くさそうに欠伸をした。
「てな訳で寝る。じゃあ約12時間後に会おう!!じゃあな俺は眠いんだ!」
「待って下さい!」
「待て427!」
同時に叫んだ好(?)青年二人はホセに飛びかかった。
「何としても研究所に連れて帰りますからね!!」
「迷惑っ!夜にして夜に!!!」
ホセは命からがら逃げ出した。
『追いだせ!!』
『了解いたしました主様!』
『20:00だからな、20:00まで起きないからな!!!』
その後半泣き半眠りで、ホセはソファに滑り込んで絶叫した。
「起こしたら殺すからな!!」
「…」
確かに正反対だ、ウィングは思った。
赤髪の方はベッドに縛り付けても寝ないのだから。


