☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-



『あの…』

ククク、と笑いながら話を聞く事15分。

『ウォンに会いたいんだが。』

『はい!!ご案内致します!!!』

数人の吸血鬼が同時に立ち上がる。

ホセはクツクツ笑って女の吸血鬼を指差すと呼び寄せた。

『お前だ。連れて行け。…その二人も俺の部屋に。大切な友達だ、手を出したら俺の手を噛んだとみなす…お前が連れて行け。』

命じられた少年は頷いて深々と頭を垂れた。

『こちらでございます…主様。』

『ああ…』

ホセは、その吸血鬼についていった。


「ウォンか?」

まだ回復が間に合っていないのか、ウォンの両目には包帯が巻かれている。

ガタンと起き上がろうとして両手両足の拘束を揺らす。

「お前は誰だ?!クソ、ここから出せよ!拘束を解け!!」

『お前っ!?無礼なっ!』

嚙みつきかけたのを止めて、ホセはウォンの包帯に触れた。

「天使の唄(エンジェル-ソングス)」

「っ!?」

オルゴールのような優しい音色が響き渡る。

指を滑らせ患部に触れると、その部分は癒えていく。

全ての患部を癒すと、ウォンの目の包帯を取ってやった。

「クォーツを知っているだろう?」

「!」

綺麗に癒えた傷の跡をそっとなぞりながらホセは言った。

「お前…!吸血鬼か!?」

「ああ。」

「っ…目的はなんだ!」

「俺に降れ。お前は賢い男だときいている…期待しよう。」

「ふざけるな!!」

ウォンは拘束を引きちぎって起き上がる。

『よせ…』

側にいた吸血鬼は臨戦態勢に入ったが、ホセは低く唸るようにして言った。

「っ!」

「ここで騒ぎを起こせばお前は死ぬぞ。クォーツの代償を無駄にしたくはない…」

「代償…!」

「さぁ、別に何も説明なしに降れとは言わない、クォーツに会わせてやる。」

「…」

行動を起こさないウォンに、ホセはクツクツ笑った。

「会いたくないのか?」

「!」

ビク、起き上がったウォンにホセはさらに大きく笑う。

『キリに退院を伝えてこい。』

そして魔法の一言。

『頼んだぞ。』

こくん、顔を赤らめて頷いた。

『はっ!!了解いたしました主様!』

足の甲にキスを落とし、霧になって彼女は消える。

「行こうか、ウォン。」

ホセはにっこり笑ってそう言った。