☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-




連れて来られたのは、食堂だったらしきところだった。

「ほら、食べてろ…といってもそんなにないか…缶詰めくらいあるだろう。ほらそのあたりに。」

指差してホセはそこから魔法で幾つか缶を取り出した。

「…ああ、大丈夫らしい。冷蔵庫も見てみるか。」

ガサゴソ探してから、ホセは幾つか食材を取り出した。

「料理は得意じゃないから作れ。」

はい、と渡して、ホセは食堂の椅子に座った。

「食ったら起こせ。」

「え…?」

くー、と次の瞬間にはもう寝ている。

気持ちよさそうな寝顔に、ウィングとアクアはふふと笑った。


「…なあ、こいつ死んでね?」

「まさか。ほらくーって言ってる。」

「…本当か?」

よほど疲れていたのか、ホセは眠り続けていた。



___よお、久しぶりだな。

誰だ、お前は。

___忘れたのかよ?酷い奴。

誰だよ?

___俺だよ、俺だ。

知らないよ…

___じゃあ、思い出させてやる。

嫌だ、やめてくれ思い出したくない。

___お前は誰だ?

俺は!!!!



「お兄ちゃん、お兄ちゃん!!」

「!」

ハッと目覚めて、ホセはとっさにあたりを見渡した。

アクアとウィング、それから同志の吸血鬼。

心配そうに、覗き込んでくる。

「…ああ、悪い…夢見が悪いだけだ…」

「凄いうなされてたぜ。本当に平気かよ?」

『汗びっしょりです。』

口々に心配事を伝えてくる周りに、ホセは頬を緩めた。


そうだ、俺は必要とされてる。


「大丈夫だ。悪い夢を見ただけだから心配するな。」


負けない、俺はあいつより優れてる。

スペックで劣っても、絶対に俺は優れてる。

俺は正しい。

正しいんだ…!


『そういえばあいつは?クォーツは何処だ。』


悔しい、狡い、羨ましい。

主様に名前を呼んで貰えるなんて。


その場にいた吸血鬼は嫉妬し、渇望し羨望する。


吸血鬼は髪色と瞳の色は同じだし、種族の特徴上美しい。

でもそんな吸血鬼の中でも、ホセは強く美しい。

プライドの高い吸血鬼も、降れと言われて逆らえない。

強すぎて、美しすぎて、逆らう気さえ起こせない。


『さあ、用があるんだろう?』


微笑んで、強かにホセはそう言った。