「!!」
そこへ、黒髪金目の幼い男の子がかけてきた。
男の子は跪くと深く俯いた。
『申し上げます、我が主様。敵襲ですどうか助太刀を。』
『鬼族か。』
『はい、百人ほど。』
『直ぐに行く。』
『ありがとうございます!』
涙を流して男の子は何度も何度も頷いた。
『キリ!』
『はっ!主様!』
ホセの現れたのは、二十代くらいになる青年でそちらも深々と跪く。
『ジャスの手当てを。終わったら飢えてる奴を連れてこい。ご馳走だと言えばついてくる。』
『はっ!…でも、お一人で相手をなさるのですか?』
『却って足手まといだ。寄ったら死ぬと言っておけ。』
『はっ、了解いたしました!親愛なる我が主様…』
ちゅ、と青年はホセの靴の甲にキスをして、慌てたように男の子もそれに倣う。
ホセはそれをクツクツ笑いながら受けて、愛おしげに二人を見下ろす。
『行け。』
ホセがフッと人差し指を振ると、深々と頭をさげると青年は男の子を連れて消えた。
「…今のって…?」
「悪いが予定ができた。俺は出かけてくるからここで待っていろ。
ここから出たら即死ぬと警告しておく。誰か来たらジュエルに待たされていると言え。」
クルリとホセは二人に背を向け、コートを取るとそのまま溶けるように消えていった。


