☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-



塔の階段を上りながら、アクアはミューズの隣に立った。

「ミューズさん、先程の方は…?」

「ゲルマゾック=ケイ。奴隷だけど特別に地位が与えられてる。ここの警備やってる奴だよ。」

「そうなんですか。」

どうりで、言いかけてアクアは黙った。

「ビスさんというのは。」

「女の子なんだけどね。彼処に立ってた子。その子も奴隷だった。」

「…」

「…ビスは、ケイが好きだったんだけど。ケイは知ってたのか、知らないのか。ビスはただの奴隷だったから真っ先に連れて行かれたんだろうね。」

ミューズは悲しそうに言った。

「女の子…なのに。」

恋もできずに殺されたんだね。


「ごめん、暗くなっちゃった。もう直ぐだ、ここ開けたところ。」

厳重に閉められた扉の前に立って、ミューズが言った。

___何名だ?

「二人。男と女だよ、料金は後で払う。一人5000ドルでどうだ?」

___50000ドルだ。

「何言ってんだよったく。オーケー、分かった10000で手ェ打つよ。」

___計20000ドル。五割増して30000ドルだ。

「了解。開けろ。」

鎖が外れ扉が開いた。

「じゃ、頑張れよ。二人とも。案内人に言ったら行きたいところに連れて行ってくれるから。」

「何て言えばいいんですか?」

「吸血鬼のドンに会いたいと言えばいいよ。」

「連れて行ってくれるのかよ?」

「ああ、じゃ。俺はここまで。」

ミューズは手を振って、クルリと踵を返す。

「頑張れよ。」

にっこりして、ミューズはいなくなった。