「ヴィスさん、ヴィスさん!!」
「えっ、アクアちゃん!?」
この二人は殆ど話したりはしてないはずだが、アクアは驚異の記憶力でヴィセーブの家に走った。
ウィングはそれについていった。
「そうだ、先輩は!?」
アクアの頭を乗り越えて玄関から顔を突き出したヴィスは、激しく左右に頭を振った。
「いねーよ。」
そこにウィングが肩をすくめてそう言った。
「その先輩を探してん。」
「え…」
なぜかヴィセーブは微妙な顔をして、二人を家に招き入れた。
「ミューズ!!」
「んん?お、ウィグとアクアちゃん。」
なぜアクアだけちゃん付けなのかチラッと気になったが、そんなこと言っている場合ではない。
「ミューズさんは知ってるんです?ホセの居場所。」
「噂だけどね〜。最近吸血鬼が団結し始めたって魔界は大騒ぎ。貴重種が現れて統率してるんだってよ。おかげで魔界軍もてんやわんや。」
ミューズは微笑んでそう言った。
「その貴重種ってのがロスらしいんだよね、でもヴィスはそれを信じたくないってわけ。」
ところで、ヴィセーブはミューズを遮ってウィングにいった。
「あの金髪二人は?先輩と一緒だったのに。…もしかして成功しちゃったの?」
「成功?」
「え…と…何でもない。それより行くの、魔界。」
「行くつもりだけど。」
「…うん、気をつけてね。」
ヴィセーブは俯いてそう言って、うな垂れた。
「本当だったんだ…先輩が殺戮の手引きをしてたなんて…」
ぽろ、とヴィセーブの瞳から涙が溢れた。


