☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


「…くあ…」

2月に成り立てのある日、アクアは欠伸をしていた。

その日は珍しくフェニックスがキッチンにうずくまっていた。

今日は食事はアクアの番だったのでラッキーだ。


「おいアクア、アクア!!」

そこへ、あの生命の大樹からキングが出てきた。

もちろんキングは木の精霊とかではないので、大樹の中に備え付けてある螺旋エスカレーターから出てきたのだ。

そんな木が植わっていてもこの船のメインルームは異常に広いので余裕でスペースがある。

「どうかなさいましたか?そんなに騒いで馬が蚤と一緒でもそんなに煩(うるさ)くないですよ。全く煩(わずら)わしいですね。」

「言葉あそびしてる場合じゃねーんだよ、船の操作が効かねえ!!このままだとあの船に激突する!!」

「天に祈りを捧げましょう?」

「お前マジで緊張感持て!!」


キングは大人気なくアクアを殴った。

「…きかないってどういうこと。」

「帆の操作ができない、加速も減速もブレーキもアクセルもきかないんだよ、金縛りにあったみたいだ!!」

「…金縛り…?」

「フェニックス、お前だけでも小舟で逃げろ、敵の目的は多分お前だ!」

「…」

「え?なんで分かるんですか?超能力ですか?」

「悪い構ってる場合じゃないんだよ。ほら早く地下に!!」

最下層は牢、B1は工具室、そしてB2はボトルシップの保管庫。

大樹の根元の部分にある跳ね戸をこわさんばかりに跳ね上げ、そこにフェニックスを押し込む。

「なんで分かるんですか?」

「あいつ知ってる?暴き屋。自分は情報屋だって名乗ってるけど嘘だろ。」

「嘘じゃないですよ、暴き屋様はイケメンじゃないですか。」

「会ったことあんの!?」

キングが思いっきり噛み付く。

「好青年でしたよ。一晩二晩泊めていただきました。」

「ああ!?」

「一緒のベッドで寝ました。」

こいつには警戒心というものはないのだろうか?