「…くあ…」
2月に成り立てのある日、アクアは欠伸をしていた。
その日は珍しくフェニックスがキッチンにうずくまっていた。
今日は食事はアクアの番だったのでラッキーだ。
「おいアクア、アクア!!」
そこへ、あの生命の大樹からキングが出てきた。
もちろんキングは木の精霊とかではないので、大樹の中に備え付けてある螺旋エスカレーターから出てきたのだ。
そんな木が植わっていてもこの船のメインルームは異常に広いので余裕でスペースがある。
「どうかなさいましたか?そんなに騒いで馬が蚤と一緒でもそんなに煩(うるさ)くないですよ。全く煩(わずら)わしいですね。」
「言葉あそびしてる場合じゃねーんだよ、船の操作が効かねえ!!このままだとあの船に激突する!!」
「天に祈りを捧げましょう?」
「お前マジで緊張感持て!!」
キングは大人気なくアクアを殴った。
「…きかないってどういうこと。」
「帆の操作ができない、加速も減速もブレーキもアクセルもきかないんだよ、金縛りにあったみたいだ!!」
「…金縛り…?」
「フェニックス、お前だけでも小舟で逃げろ、敵の目的は多分お前だ!」
「…」
「え?なんで分かるんですか?超能力ですか?」
「悪い構ってる場合じゃないんだよ。ほら早く地下に!!」
最下層は牢、B1は工具室、そしてB2はボトルシップの保管庫。
大樹の根元の部分にある跳ね戸をこわさんばかりに跳ね上げ、そこにフェニックスを押し込む。
「なんで分かるんですか?」
「あいつ知ってる?暴き屋。自分は情報屋だって名乗ってるけど嘘だろ。」
「嘘じゃないですよ、暴き屋様はイケメンじゃないですか。」
「会ったことあんの!?」
キングが思いっきり噛み付く。
「好青年でしたよ。一晩二晩泊めていただきました。」
「ああ!?」
「一緒のベッドで寝ました。」
こいつには警戒心というものはないのだろうか?


