☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


「クゥーン…」

「…」

セレンはヴィセーブの頭をワサワサと撫でている。

耳の後ろをポリポリとかいてやるとヴィセーブは気持ちよさそうにウットリした。

「ヴィス、俺はシャワーを浴びたい。少し退いてくれ」

「僕も!だいちゅきせんぱいっ!」

「あいつキャラ変わってやがる。」

フェニックスは冷静に憎々しく言った。

「俺のセレンをよくも…」

「違うだろ。」

キングに殴られつつフェニックスはヴィセーブを睨んだ。

「じゃあ一緒に入るか。久しぶりだな。」

「止めろ!!」

「私も入りたいです!」

「駄目だよアクア!」

仲間の暴走を止めにかかってキースは乱闘に突っ込んだ。

「元気だな、ロスの友達は。」

ミューズは、いつもの絡みの数倍の騒がしさに苦笑いを零した。


「耳に水が入るぞ。人間態に戻れ。」

「ヤダっ!」

「全く…変わらないな。甘えん坊。」

シャワー室の扉をガンガン蹴りながらフェニックスは呻いた。

「あいつ…!!」

「いつものことだぞ、フェス。ロスは世話好きだからヴィスもあんなになるし。」

「違うと思うぞお兄さん。」

「…?」

くそこいつ天然だ。

首を傾げたミューズにキングは下打った。