☆Friend&ship☆-償いの吸血鬼と罪深き種族の運命-


結果的に、ホセはぶっ飛ばされた。

ただでさえ酷い怪我が悪化した。

よってフェニックスを吹っ飛ばした。

一応反省したようだった。

次は怪我が治ってから半殺しにすると言っていた。

「いいのか、それで…?」

ウィングはそう言って、自分で作ったポテトチップスを食べていた。

「俺とあいつ以外ってことはお前でもいいんだろうな。」

「舐めてるよな。」

「ご主人様ご主人様言ってたやつだし。しゃーねーだろ。」

込められた怒りに、キングは涼しい顔で無視をした。


「…ってかさ、俺気になることあるんだけど。」

「ん?ナニナニ?キングくんきになっちゃうぅ〜♪」

「…吸血鬼の傷のことなんだけどさ。」

「ホセのこと?」

ウィングが嫌そうにそう言ったので、キングは聞き返した。

「…そいつさ、縛られてた時には別にあんな酷い怪我負ってなかった。」

「吸血鬼の能力だよ。」


キングはそう言った。

「例えば悪魔科妖精のアクアには、羽に爆発的な治癒力を秘めてる。」

まあ無理矢理奪っちまったんだが、キングは言った。

「俺は神科最高神。あんま自慢はできねーけど、その中に1代に一人宇宙系または光の夢術持った奴が生まれるだろ?」

「…知ってる。」

「で、その当たりさんは絶対支配っていう夢術にも魔法にも関係ない力がある。俺はハズレなんだけど、知ってるだろ、俺の夢術。」

「…死、か?」

「だーいせぇーかーい!」

キングはパチパチと両手を鳴らした。

「死、その夢術を持って生まれてくることができるっていうのがハズレの能力。もちろん普通の奴もいるけどね。氷とか…ん?」

氷…氷…氷?

なんだか何処かで聞き覚えがなくもないが、キングは深く考えずまあいっかと話を続けた。

「あと、性格的に高圧的だよな。あと他人に興味がない。基本数字でしか人を見れない。」

ま、その話は置いといて。

「吸血鬼にもあるわけよ、そーゆーのが。」

まず吸血。

これはただの嗜好だけど。

戦闘能力が高く殺戮を好み、理性を持たない。

総じて闇のような黒髪に、色の薄い金の瞳。

さらに爆速進化ってのもあるな。

通常何億年とかけてやる生物の進化を、ものの数年、数ヶ月、数日…場合によっては数時間で終わっちまう。

「すごいだろ?」

キングは自慢げに言った。

まあ、あとはさっき言ってたすごいスピードで傷が治ってく。

治癒能力も高いってことかな?


「あとかんけーないと思うけどさ、吸血鬼の死体見つけたらラッキーな。もう鉱山みたいなもんだから。」

「は?」

ウィングは首を傾げた。

なぜ、吸血鬼が鉱山?

「残酷な話、吸血鬼は体内で多量の宝石と貴金属が作れるんだよ。」

血液は総じて紅玉と化し、骨は指先まで純粋なるオパールとなる。

内臓はそれ自体が柔、硬の特性を併せ持つ金属となり、その金属で作られた剣は鈍ることを知らず。

心臓は黄金に勝る輝きを持つ赤い金属。

漆黒の髪で編みし鎧は宇宙の破滅より汝を守り、白亜の歯先に勝る武器などこの世にない。

「さらに残酷なのはここからでさ。」

生きた吸血鬼の瞳の奥からは宇宙で最も貴重な貴金属が得られる。

黄金の瞳の中心に、一寸違わず細き銀の針を突き立てる。

網膜に達すれば一旦その針を止め、再び抜き取る。

三たび繰り返し、傷のないよう注意を払い眼球を取り出す。

最早死んだ瞳に空いた細い穴から、汝は巨額の富を得るであろう。


「最悪だろ?」

誰が言ったのか知らねーけど、こんな酷い事よくできたもんだ。

信じられない事に今もやってる奴いるらしいけど。

だからこそ、ホセ守んなきゃな。

そう思うだろ、ウィング?

まだ山になっているチップスを眺めて、ウィングは頷いた。

「食欲、失せた。」