そして恐れていたその事態は、1週間を少し過ぎた頃に起きた。
「なあキング、ホセしらねぇ?」
「ホセ?いっつもお前に貼っついてるだろ。」
「それがいねーの。ちょっとめー離した隙にさ。」
「さぁな。俺は知らない。」
「了解、サンキュ。」
フェニックスはホセを呼びながらいなくなった。
「…やな予感。」
妙な胸騒ぎを覚えて、キングは地下室に向かった。
キースの遺体が安置されている部屋に。
「ウィング、さん…!待って、待って下さい…手が痛い、手首が千切れそうなんです…ウィングさん…ウィングさん…!」
「…」
半分泣きながら、ホセはウィングに引きずられていった。
体格ではどうしても勝っているのに、恐怖と痛みでホセは抵抗できないていた。
「あああ…ウィングさま、ねえウィング様…千切れちゃうよ…歩きます、逃げませんから…ああっ!!」
もっと強く握られて、ホセは涙を流した。
もう指先に感覚がない、きっとこのまま使えなくなってしまう。
そんな絶望を感じ始めた時、急にウィングが立ち止まった。
「もう、限界なんだよ。」
目の前の扉が開けられると、冷気が二人を襲った。
「…?」
「思い出させてやる…記憶がないで済むと思ってんの?」
頭を摑まれ無理矢理見せられた光景。
「…」
安らかに、眠るキース。


