「アクアちゃん。」
まだ気持ちの整理がつかないのか、アクアはベッドに倒れたまま起きようとしない。
「…また食わなかったの。」
側にはスープ。
冷め切ってはいるが、スプーンは濡れていなかった。
「アクアちゃん。」
「平気ですよ。」
と、アクアは言った。
「動かないんだから食べたら太るじゃないですかぁ、てへへ。」
「動かなくても生きてる限り栄養は必要なんだよ。」
「…いらないですよ。」
それなら尚更。
と、アクアは暗い瞳でそう言った。
「逃げ出しちゃいたい…」
「…」
誰も悪くないのに誰一人幸せになれない。
どころか全員不幸。
正しいはずの、全てが正しいはずの環境なのに。
親友を殺され憎しみに身を委ねる。
大切な親友を守ろうとする。
二重の事実を突きつけられたショックで倒れる。
全員が、その選択しかないのに。
憎しみは抑えられない。
見捨てるわけにいかない。
開き直るなんてできない。
「…」
どうすりゃいい?
この状況を。


