「この声で、みんなを幸せにしてるんですね…」


そう呟いて、なんと返していいか迷っていると耳元で寝息が聞こえた。


なんて無防備なんだろう。


いくら二十歳になったからといって、これじゃ丸っきり子供だよ。


「……すごいなぁ」


そう聞こえた寝言が、本当は何て言ってたか知らないけど、心地よく響いた。


でも、どうしたものか。


俺が勝手に空ちゃんの家に入っていいわけがない。