だいたい空の表情は予想できるけど、電話だとこういうときに困る。


なにを考えてるか、俺にはわからないから。


「ううん、なんでもないよ」

「…約束したじゃん」


“隠し事は絶対しない”

もう1ヶ月近く前の、二人のその約束が、頭の中によみがえった。


「…空太の声きいたら、もっと会いたくなったな~って、思っただけ!おやすみ!」


その言葉を残して、空は電話を切った。