「ただのすれ違い、か」

「そうだね」


空の目に、もう涙はなかった。

頭を撫でる手を離すと、空の顔が名残惜しそうに見えた。


なんて俺の都合いいように考えすぎか、と思った瞬間に空の顔が一気に近づいた。


軽く唇が触れて、空が頬を赤くして笑った。


「空太、大好きだよ」


完全にふいうちだった。

初めての空からのキスは優しくて心地よくて、俺は自分からもう一度唇を重ねた。