「…空の他にも好きな人がいるの?」 「いないよ」 空の問いかけに被せるように、でも落ち着いてそう答える。 なにがどうなって、空はそう思ったんだろう。 そう考える間もなく、答えは出た。 「ピアスは誰の?…どうしたらあんなに甘い匂いが空太についたの?」 その言葉に、つい昨日と一昨日のことを思い出す。 塩谷美帆の忘れ物、わざとらしくくっついてくる塩谷美帆…。