「寒かったよね」 空太の家の前に立つと、そういいながらドアを開けてくれる。 「ありがと…わっ」 中に入ってドアがしまった瞬間、私は空太さんの腕に包まれた。 「っ…どうしたの?」 「空が足りない」 まるでドラマじゃないかと思うくらいの、甘いそのセリフに言葉が出てこない。 その時…ふわっと甘い匂いがした。 …これ、空太の匂いじゃない。 鼻が慣れると、それが女物の香水だということに気づく。