去年の誕生日の朝、目を覚ますとしっかりと繋がれた空太の手があった。


初めて空太の頭をなでた。


思えばあのときから、私は恋をしていたんだと思う。


「さよなら」


本当は空太に気づいてほしくて言った一言が、空太に届くことはなかった。


青森にかえってから、空太を思わなかった日はなかったよ。


空太は思うほど遠く、テレビのなかで笑っていた。