「HAPPYBIRTHDAY! 空太くん!!」


誕生日は、バーに行ってたくさんの人に祝ってもらった。


俺の胸元には、あのネックレスはもうない。


あの日、決心したことが良かったのか、俺は約束のことを忘れていた。


いや、心の片隅にはあったのかもしれない。


でもそれを、俺自身の硬い気持ちが打ち消したのだろう。


「もう35か~、早いな」


高校の同級生に歳を言われ、自分でもいい歳なんだと感じる。


「もう若くないな」