一人で決心するだけでは、揺らいでしまいそうだから。


「空は、結婚して幸せになるんだから…」

それはまるで自分に言い聞かせるような言葉だった。


「でも…」

「俺は、空太がそう決めたなら何も言わないよ。」


アキの言葉をさえぎるようにハルさんが言い、俺をまっすぐに見る。


「…」


アキは黙りこみ、ハルさんもまた、それ以上なにも言わなかった。

これでいいんだ。


そう思って一歩踏み出すと、それが大きな一歩だということに気づいた。