君と恋の歌


「名前、きいてもいい?」


そう言うと、彼女はカバンからメモ帳とペンを取り出して、字を書き始めた。


“有栖川 空”


「ありすがわそらです」


空…


彼女にぴったりの名前だと思った。


空のように透き通った声。

透き通った肌。


汚れを知らなそうな、純粋な心。