君と恋の歌


「…空も」

その言葉に思わず笑みがこぼれる。


きっと空は、俺が空を好きなことも知らないんだろう。


空といる時間が好きだって言葉が、そのまま空を好きだって意味してることも。


「昨日の人…新島さんっていうお父さんの会社の人でね。お父さんが信用してる人だから海外にいて来られない変わりに、空の様子見に来たの」


“新島”の名前に少し顔がこわばってしまったのがわかったが、最後まで聞いて安心する。


なんだ…。


じゃあ、彼氏じゃないのか。