「……って、そうじゃなくて!昨日はごめん!!俺のせいで嫌な思いさせて……」

「良いよ、もう。電話くれた時点で伝わってたから。あたしの方こそごめんね?あの後みんなに何か言われたんじゃ……」

「あー……言われたけど、当然の結果だから。俺が空気読めなくて……言いたいこと、ちゃんと伝わってなかったし。」



 微笑する竹田の心は、全く読めない。首を傾げていると、竹田はあたしをまっすぐ見つめて、話を続けた。



「変って言ったのは、おかしいって意味じゃなくて……ほら俺、似合ってない訳じゃないって言ったじゃん?似合ってたんだよ、うん。」



 ──じゃあ何で、恣意的な言い方するかなぁ。はっきり言ってよ。そう思っているあたしの心が伝わったのかは定かではないけど、竹田はニコリと笑って口を開いた。



「……青が似合ってんのに何で今更ピンクなんだろ、って思ったんだ。だから『変』って言った。」

「え……?」

「ピンクも似合ってたけど、仁科はやっぱ青だろーって思って。俺正直だから、後先考えずに言っちゃったんだよね!」



 竹田はそう言って、右ポケットに手を突っ込む。リボンの付いた小さい紙包みが、あたしに差し出された。