カーテンから垣間見る青空は、憎らしい程爽やかだった。大好きな青なのに、何だか悲しい。あたしは布団から出られずに、いつまでもゴロゴロしていた。

 お腹が空いて下に降りると、お母さんは友達と出かけていて留守だった。置き手紙でそれを知る。朝食兼昼食を“あんまり無理しないようにね。”のメモと共に作り置きしてくれていたのには、涙が出そうになった。

 ご飯を食べ、再び二階へ戻る。溜め息をついた時、丁度携帯が着信を伝えた。手に取ると、公衆電話からだった。

 誰だろう。携帯が故障中のお母さんかな。そう思ったあたしは、通話ボタンを押した。



「もしもし。」

「……あの、仁科さんの携帯ですか?」

「はいそうですが。どなた?」

「えと、俺、竹田だけど……」



 ──沈黙。電話を切りたい衝動に駆られた時、それが伝わったのか、「あ!切らないで聞いて!!」という叫びが聞こえた。仕方なく、思い留まってやる。



「……俺、仁科に謝りたくて、お前の友達に番号聞いてさ。で、今、お前ん家の近くに居るんだけど……」

「……は?」



 “学校は?”という言葉が出てこない。まさか、このためだけにサボったのか。どれだけ親切なのよ……