「招かざる客つづき」
林檎は健を押しだそうとするが、力では勝負にならない。林檎は両腕を取られ、壁に押し付けられてしまう。
健「なに、ひどくねぇわざわざ訪ねてきたのに」
林檎「ちょっとはなしてッ」
 健は玄関の様子を確認すると、
健「何だよこの身障のトイレみたいな玄関!オレに黙って今度はボランティアでも始めたわけ?」
林檎「ここ他人のウチなんだから、出てってよ」
健「お前にとっては他人じゃねんだろッだからひと月もシカトしてたんじゃねぇーのかヨ!」
林檎「わかった、わかったから外で話そ」
健「ここで話はできるだろ」
林檎「じゃー話す。もぉ私に関わんないで下さい」
健「バカにしてんの?」
林檎「バカにしてない。真面目に言ってる」
健「おれらまだ付き合ってんだよ」
林檎「覚えないけど」
健「は?」
林檎「何?」
健「何が覚えねぇんだよ」
林檎「…」
健は林檎を無理矢理押し倒し、林檎の着衣を強引に剥ぐ。林檎もしばらく抵抗するが、下着を脱がされ、健の肉棒が中に入ってくると、あとは逆らうことなく健にされるがまま、受け入れる。この時の林檎の目は、まるで、まな板の上でさばかれるのを微動だにせず待っている魚の目。
微動だにしない美しい魚は、健の激しい腰突きで、何度も壁に叩き付けられる。健はやがて果てると、林檎の中で射精した黒ずんだいびつな形状の肉棒を抜き出し、自分の着衣を整える。
部屋から健が出てくると、丁度帰宅した車椅子の福生とすれ違う。健は路地を曲がる間際、自分の出てきた部屋の前で、扉を開けようとしている福生の姿を背中に確認する。健は下げすむような笑みを浮かべながら、足早にその場をあとにする。
扉を開けた福生の目の前には、着衣の乱れた林檎が横たわっている。林檎は黙ったまま福生と目を合わせようとはしなかった。
福生が欲しかったもの。林檎が望んだこと。福生が笑って林檎が笑う、そんな当たり前の日常は、考えてみればきっと奇跡。そんな奇跡の連続で明日や未来ができている。