七色の空

チャプター19
「加藤 鷹様 暑中見舞い申上げます」

林檎は福生を連れてしばらく帰っていなかった田舎に帰省する。世の中では盆に里帰りは一般的なことだ。父親を早くに亡くした林檎だったので、たまに帰るときには、一人で暮らす母親の為に、アダルトビデオ(母親の家にはDVDがない)をお土産にする。やはり理解の範疇を超えている。
帰省の電車のなか、
林檎「いつか私がでてるビデオみたら、お母さん興奮するんだろな」
福生「そぉなの?(笑)」
林檎「そぉだよだって自分の娘が鷹さんに潮ふかされたりしてるの見たら、自分がされてるみたいに思うでしょ普通」
福生「あなたの普通はどなっちゃってるわけ?」
林檎「ママも多分ふいちゃうよ!」
隣のサラリーマンが咳払いする。二人は車内で楽しそうだ。
福生は林檎の母親にえらく気に入られ、滞在した二日間で3キロ太った。林檎の母親は福生の想像通りのキャラだった。
今、林檎は自分の会社を無断欠勤中の身だ。福生に出会ってからもぉヒト月が経とうとしている。
 20代後半にして、久々に手に入れた長い夏休みだった。