いいじゃん、俺の彼女になれば。

素直にイヤだって……言ってもよかったの?」



思わず、琉玖の制服を掴んでしまった。



「もしかしてじゃなくて。
そうしてほしかったから、あえて俺はしたんだけど?」



キュッと手を握られた。



「本音を、ちゃんと言ってほしかった。
“最低”でも、“女ったらし”でも、なんでもいい。
“行かないで”でも、“イヤ”でも、なんでもいい。
俺は、心愛の本音が知りたかった」



「…………」



琉玖は、初めてあたしのことを、心愛と呼び捨てにした。