―2000年・10月なかば。

予備校の模擬試験の結果が出た。
まずまず安心できる成績。
今の時点では、合格ラインより少し上にいると言えた。

ちら、と、奴の方を見る。
奴は難しい顔をしていた。
評定が悪かったんだろうか。

俺よりもずっと楽天的な奴。
深刻そうにしているのは、珍しかった。