太陽を追いかけて



……どうしよう。


体育委員じゃないのに宮間くんに仕事を手伝ってもらうなんてこと、できないよ。


どうやって言おうか迷っていると、


「そんなに困ったような顔するなよ……」


っていう、宮間くんの呟きが聞こえた。


宮間くんを見ると、彼もまた、私と同じように困った顔をしていて。


「俺が、手伝いたいだけだから」


宮間くんは眉毛を下げたまま、私からそっと視線をはずした。


……ずるいよ、宮間くん。


そんな顔で、そんな声で、そんなこと言わないでよ。


私が“うん”って首を縦に振るしかできなくなるじゃん。


「それでも、だめか……?」


宮間くんは視線を私から背けたまま、鼻の頭をかきながらそう言う。


「……ううん、じゃあ、一緒にお願いしてもいいかな……?」


仕方なくそう言うと、宮間くんは顔をそっと私の方へ向けた。


その顔は、どことなく嬉しそうで。


よくよく考えれば、こうやって男の子と二人きりになるのも久しぶりだ。


……翔平以外の人と二人きりになったことなんてないから、変に緊張しちゃう。


なんて心の中で思いながらも、私は宮間くんとふたりで体育のプリントの整理を始めた。