自分の顔が真っ赤になっていくのがよく分かった。
「……どうしたの?」
「なにが?」
「なんで教室にきたの?」
恥ずかしさに堪えながら宮間くんに問ってみると、宮間くんは“ああ”という顔をした。
「図書館で勉強しててさ、そろそろ帰ろうと思ったんだけど、明日提出の英語の課題を教室に忘れてるのに気付いたから」
宮間くんはそう言って、私の後ろの席までくると、ごそごそと机の中をあさり始めた。
私は体をちょっとだけ後ろに向けて、宮間くんをこそっと眺めてみる。
……だめだ、朝の柚月との会話が頭の中によみがえって変に心臓がドキドキしてる。
柚月のバカ。
柚月が、“宮間くんを見つめる視線が普通には見えない”とかいうから。
“宮間くんのこと、好きなんじゃないの?”とかいうから。
私の心臓が、おかしくなっちゃったじゃん。



