「さっき?」
私は宮間くんにほんの少しだけ近寄り、このガヤガヤしている教室の中で宮間くんの声を聞き逃さないよう、耳をよくすました。
「さっき、さ。俺、何か悪いことしたかな……って、思って」
「え?」
「……だからさ、なんか、その。宮原さん、すごく悲しそうな顔をしたから」
「………」
……驚いた。
何に驚いたのって、宮間くんの勘の鋭さに。
あの一瞬、私が表情を崩したのは、きっと本当に一瞬だけで。
その一瞬のときに、私の表情を読みとれるって……宮間くんは、思ってるより人のことをよく見てる。
私はまじまじと宮間くんの顔を見つめた。
そこで初めて、宮間くんって男子の中で俗に言う、“イケメン”の部類に入るんじゃないかって気付いた。



