そのとき、ビューっ──と強い風が吹いて、私の制服のスカートがひらりと気持ちよさそうに風に舞った。
『ひゃ……っ』
小声でそう漏らし、急いでスカートを両手で押さえた私。
……見えてないよね?
今、結構スカートがめくれあがったみたいだったけど……大丈夫だよね?
私はそう思いながら辺りをチラチラと見回す。
……でも、そんな私の予想は大いにはずれた。
桜の木がある左手側とは反対側。
つまり右手側の道路の向こうに、3人、私が今日から通う中学の制服を着た学生がいて、その3人ともが私を見てにやにやと笑っていた。
『うわあ、最悪だよ……』
これ、絶対見えてたよね。



