私を見つめる蒼汰の視線がすごく優しくて涙がポロリとこぼれ落ちそうになったけど、言葉につまりながらもそれでも私は全部包み隠さず蒼汰に話した。
「……蒼汰、ごめんね」
蒼汰が好きになってくれた私は、本当の私じゃないんだ。
嘘の笑みを浮かべて、自分の言いたいことは心の内に隠して、蒼汰の大切なりんのことを恨んで大嫌いだった、そんな私なんだよ。
ねぇ、蒼汰。
きみはやっぱり、こんな私のこと嫌いになったかな。
嫌われてもしょうがない。
だって私が悪いんだから。
……でも、どうしてもきみに嫌われたくないって思う私もいるんだ。
「……愛莉」
「え……?」
ぎゅっとスカートの裾を握りしめて涙をこらえていた私の体が、優しい温もりに包まれた。
それはまるで、壊れ物をふわりと抱きしめるようなそんな抱きしめ方で。



