……でもね。
『だって愛莉とは、小1からの仲だしさ。ずっと一緒にいる大切なダチ。そんなお前が、知らねぇ男に絡まれてんだもん。しかも愛莉、ガクガク震えてたし。怖かったんだろ?助けないわけねぇだろ』
このあとに耳に入ってきた言葉に、私はまたいつものように胸を痛めるの。
『……そうだね。翔平、ありがとね』
私はにこっと笑顔を作った。
……翔平にとって、私はただの友達。
私がいくら翔平を想ってても、翔平は私の気持ちに気付いてくれない。
初めて出会った小学1年生の頃から、ずっと翔平のことが好きなのにな。
なんてことを思いながら空を見上げたら、二羽の鳥が気持ち良さそうに空を泳いでいた。
近すぎず、遠すぎず。
そんな言葉がぴったり当てはまりそうな距離で飛ぶ二羽の鳥たちは、まるで今の私たちの関係を表しているようで。
私は右隣にいた翔平をそっと見上げ、
“私のスキが、翔平に届けばいいのに”
と、心の中でそっと願った。



