太陽を追いかけて



欲しいといえば、欲しい。


……でも、もっと欲を言えば蒼汰とお揃いがいいな、なんて思ってたりもする。


蒼汰の視線がずっと私に向けられているのをひしひしと感じたから、ここは素直に自分の思ってることを言うことにした。


「そのぬいぐるみ、欲しいんだけどね。……蒼汰とお揃いがいいな、なんて」


蒼汰の目を見る勇気なんてなくて、私は目線を地面に向ける。


水色を基調とした生地に魚の絵が描かれているタイルに、心がちょっとだけほっとした。


「……別に、いいけど」


そしたら上から聞こえてきた、蒼汰の声。


その声はすごくとがっていて、ぶっきらぼうだった。


でも顔をあげると、そこにいたのは顔を真っ赤にしてそっぽを向く蒼汰。


「……あははっ」


思わず笑うと、ムッとした顔の蒼汰に睨まれた。