花菜にお風呂の場所と使い方を教えて

「長湯すんなよ!出掛けるから!」

「もしかしてデート?」

「そ」

「頑張って早くあがるね!!待っててね!
絶対!待っててね!
先に行かないでね!!」

「待ってるから、心配すんな」



リビングのソファに座る


服のポケットに指輪の箱が入っている


それを触りながら


目を瞑って、花菜のことを考えた




「伊緒里君?」


「ん?」


「どうしたの?」


「あー寝てた」


「待ちくたびれて、泣いてたの?」

「え?」


頬に手をやると、確かに濡れていた

そっか……

俺…



「花菜ちょっといい?」


「きゃ/////」




花菜を抱きしめた





この温もり


この緊張の仕方








「花菜… キスしたい」

「え/////私、どうしたらいいの?」



ちゅ



軽く唇を重ねた


おでことおでこをくっつけた

チラッと花菜が俺を見て


「初めてが、伊緒里君でよかった/////」


真っ赤になりながら


「伊緒里君、タコみたい!うふふ/////」


「花菜… 結婚しよう」

「/////はい」

「俺が大学卒業してからだけど」

「ええーーーー!?今じゃないの?」

「ちゃんと卒業したいんだ」

「わかったぁ 待ってる」




それから、花菜を抱きしめて

ディープキスした


強烈に苦しんで、暴れた


「花菜、コレ貰ってくれる?」


ポケットから指輪を出した


中を見た途端、ポロポロ泣き出して


「うれしーーー」


泣きながら、左手を出した

その手に指輪をはめた


「安物だけど、結婚するときは
ちゃんとしたのあげるからな」


「ありがとう伊緒里君!!大好き!!」











1年後




定期検診の結果


すこぶる良かった


医師が、首を捻るほど




亜依里っぽさが、少しづつなくなって

キスのあとの〝タコ〟復活




日に日に、花菜が花菜らしくなってきた


気をつかわなくなったから?





「花菜ぁ…キスしたい」

「バカ!!こんなとこでやだ!!」





ちゅ





「もぉ!! タコ/////」


記念日は、ここ

滑り台の下


俺達は、ここから始まったんだ



だから毎年ここで、花菜にキスしたい




「花菜!好き!」

「/////私も!伊緒里君!好き!」























花菜 生きててくれてありがとう

ずっと、一緒にいような











              END