「去年とか、誕生日のこと頭になかったな」

「俺んち、誕生日とかお祝いすることないんだ…
俺も花菜も、そういうのないのが当たり前だったからな」

「へぇ~」



父親が俺に教えてくれたってことは

ちゃんと覚えている

本当は、したかったんだろうな

父親らしいこと




「朔哉!!
琉成のレストランさ、滝あったよな?」

「伊緒里!!
俺も今、それ考えたとこ!!
格安で借りようぜ!!!」

「花菜のアルバムとかねぇの?」

「うち、本当そういうのないんだ…」

「じゃあさ、皆で写真とろっか?
この前も、誰もカメラ持ってなかったし」

「いいねぇ!!帰りに琉成のとこに行こう!
伊緒里!!プレゼントどうする?」

「実は、昨日から誠実さんのコンビニで夜働いてる
前借りして、指輪渡したいなって」

「なんか、俺…嬉しい
俺がプロポーズされたみてぇ!
泣きそう!!」

「花菜にだ!!」

「わかってるって!!」










日曜日







レストランで待ち合わせ


花菜は、両親から服を買って貰ってから

ここに来る


「緊張するぅ~」


なぜ?母さんが、緊張すんだよ!!!

朔哉まで、そわそわ



「いらっしゃいませ」




藤本さんの声




「わぁ レストランの中に滝があるぅ~!!
すごぉーーーーい!!!」

スタッフさん達の中には、花菜と面識のある人がいるため、事前に記憶がないことを伝えていた

花菜の第一声で、スタッフさんが
納得したようだ


信じられないよな…


俺らにしてみたら、信じられないことが
続きすぎて案外すぐに、乗り越えた


「花菜!誕生日」

「「「「「「 おめでとう!!! 」」」」」」



「え… 私、今日…誕生日なの?」



そういう反応になるわな…

そこ、忘れてた



記憶ないんだった




「わぁ~ 嬉しい!!!
私、いくつになったの?」

「18だよ」

朔哉が花菜の頭に手を置く

「そうなんだぁ~大人って感じだね!!」

「私達からしたら、ずっと子供なんだけど」

「そうだな」



花菜の家族が、1つになった


そんな感じだ