それは、大学の帰り朔哉と2人でうちに向かう途中だった



「嘘だろ……」


俺の目線をたどり、朔哉も気づいた

「花菜と……琉成か?」

「誰だよ!?元彼とか?」

「花菜、子供の頃、琉成のお嫁さんになるって言ってたな…その前は、俺のお嫁さんだったな」

「んな事、聞いてねぇ!!誰だよ!!」

「琉成は、花菜と俺の幼なじみ
あいつら、まだ仲良くしてたんだ
俺とは、すっかり疎遠なのに……」


知らなかった… 
自分がこんなに嫉妬深いとは


「琉成って…いくつ?」

「俺らと同じ歳」

「朔哉!!邪魔しに行くぞ!!
お前から、声かけろよ!!」



「あら?伊緒里、やきもちか?」

「んなんじゃねぇ!!!」


口ぶりで、そうでーすって言ってる気がするけど





「よお!琉成!!久しぶり!!」

「お?朔哉か?久しぶりだな!!」

「伊緒里、今日もウチで朔哉とレポート?」

「まあな」

「こんにちは 相沢琉成といいます
花菜の彼氏さんですよね?」

「佐久間伊緒里です」

「伊緒里くん、悪いけど今日は花菜を借りるよ!ちゃんと返すから!」

「物みたいに言うなよ!!
そういうことで、琉成と出掛けるから
遅くなるけど、晩御飯の支度に間に合うように、帰るから!じゃあね!!」


俺は、花菜とデートをしたことがない


琉成って奴とは、普通に出掛けるのかよ…

「伊緒里?大丈夫か?
やきもちやくのもわかるけど、琉成はない
花菜も琉成も恋愛感情ないからな?
落ち込むな?」

「……」

「疑ってんのか?花菜は、ちゃんと伊緒里のこと、琉成に話してただろ!?」

「うん……だよな」



それでも、嫌だ

他の男が、今現在、花菜といるのが




結局




そこら辺の店で、レポートして

朔哉と別れ、家に帰る


「おかえり」

「おう、ただいま」


まさか、もう帰っていると思わなくて

驚いた


「なぁ… あいつと、どこ行ったんだ?」

「……そんなこと聞いてどうすんの?」


料理しながら、ツンとした態度


台所に入って、花菜を後ろから抱きしめた


「やぁ…あっ 危ないから/////」

「花菜のことで、知らないことがあるのが
嫌だ…琉成と花菜が仲良くて、やきもちなんだけど……」

包丁をまな板に置いて

慌てて花菜が振り返る


「/////やきもち?…伊緒里が?」

「うん」



真っ赤になって、俺の顔を下から見てる



「///// あたしも、亜依里と伊緒里にやきもちしたんだよ/////
だから、亜依里が気をつかっちゃって
/////えへっ 嬉しい」


/////まさかの甘いひととき

花菜が両手を俺の背中に回して

抱き合ってる


幸せ~


「琉成のことは、後で話すね!」

「わかった」


ちゅっ


「/////いっいお……タコ!!」


なんだよ……毎回、キスの後は、タコ?

とりあえず、照れてくれてるのと


俺に抱きついたままなのが、嬉しい


「りょ 料理しなきゃ!ねっ!!」



言ってから、俺と離れる

花菜も俺を好きでいてくれるんだ

まだ、耳赤いな


「くくくっ」

「なに?」

「いや、可愛いなって」

「バカにすんな!!」

「すみません!!!」


包丁むけるなっつーの!!怖え!!