ちょっとした変化といえば


「朔哉 また来たの?」

「悪ぃかよ!!伊緒里とレポートやる!!」

「後で差し入れ持ってってやるよ」

「サンキュー」


花菜が朔哉と会話をするようになった



花菜と亜依里



2人が1人になった日から



1年




その日は、日曜日

朔哉も来てくれて

誠実さんも仕事を休んで

亜依里の1回忌法要


行事が終わって



いつも通り過ごしていた


「ゲホッ おぇ… うぅ… ケホ ケホ」

「花菜?おい!!吐いてんのか?開けろ!」


トイレから、苦しんでる声が聞こえて
声を掛けるけど、開けてくれない


俺の声で、母さんが来て


持ってた携帯で、誠実さんを呼び戻す


俺は、頭の中真っ白で


「花菜!!亜依里!!開けろ!!」

とにかく叫んだ


誠実さんが、コインで鍵を開けてくれた

トイレの中に顔色真っ白な花菜が

倒れていた


誠実さんが救急車を呼ぶように言い

母さんが電話した


「花菜!!しっかり!!」


俺は、声を掛けることしかできなかった

「伊緒里くん、声をかけ続けろ!!」


誠実さんは、出来ることをしろって
言ってくれた感じがした


延命は、希望しない


花菜は、そう言ってた


だけど…


花菜がいなくなったら… 俺…


「花菜… 逝くなよ!?」


まだ、花菜に好きって言ってない


願わくば彼女になって欲しい


「亜依里… 花菜を守ってくれ… 」











医師の診断は、驚くほど簡単に

「胃潰瘍です
心臓は、調子いいですね
念の為、1泊しましょう」


胃潰瘍……



そう聞いて思い当たる

最近、食事の量が減っていた




何で、気づいてやれなかったんだ……





「伊緒里!!花菜は!?」

「胃潰瘍だって」

「心臓は?」

「調子いいですねってさ」

「よかったぁ~
俺…悪い方にばっかり考えてさ」  

「のん気ね…胃潰瘍って言ったら
ストレスでしょ?
悩み事があるんじゃない?」


そう……かも





花菜… 悩んでたのか…





ごめんな……