花菜がうちに来てから

毎日が楽しい

たまに来る朔哉とは、相変わらず


年明け早々のこと……



花菜は、いつも俺たちより先に起きて

朝食を作ってくれる


しかし


今日は、なぜか俺の布団で俺の腕の中

母さんは、起きてるらしい

こんなに近くで花菜を見てると

俺… 男なわけで…


ちゅっ



「ふぇ?……嘘」

飛び起きて両手で口を押さえる

「ごめん!!つい!!」

「お兄ちゃん……最低!!!」

え?


「亜依里?」

「初めてのちゅうが、お兄ちゃんだなんて」


「いーおーりー!!手を出すなって、言ったのに!!花菜と亜依里は、2人で1人なんだから!!」


騒いでたから母さん来て、怒られ

亜依里には、泣かれ


朝から自分のしでかしたことに

反省する

「朝寝坊してる時点で、花菜じゃないって
気づきなさいよ!!」

「はい」

「ファーストキスがお兄ちゃんとか
ショックだよぉ~
お兄ちゃん、これから端っこで寝てよね」

「俺… 端っこだし……」


いつも、お兄ちゃん大好き!!って

言っていた亜依里が

兄離れを決意したのだった……


亜依里の部屋から、ピロピロと着信音

「わっ!」

慌てて部屋へ

おいおい……

花菜の携帯だぞぉ


「もしもし!!ごめんなさい!!
連絡してなかった!!亜依里です!!」


へ?

「はい え? ありがとうございます!!
はい!! えへへっ 嬉しいです!!」


電話を切ってから、食卓へ

「花菜ちゃん、朝ご飯食べないんだって」

「花菜と会話出来るのか!?」

「ううん 教えて貰ったの」

「誰に?」

「花菜ちゃんのバイトの親分さん!!
お母さん!!私ね!お母さんには、親分さんが、いいと思う!!
花菜ちゃんもそう言ってたみたいなの!
あの人と再婚しないで……
親分さんも亜依里のお母さんに会ってみたいって!!」


なんて日だ……


喧嘩になるな……


「なんで、そんな勝手に薦めてるのよ!!
この前、食事した時は亜依里だって
気に入ってたじゃない!!」

「でも、嫌になったの」

「まてまて!ゆっくり聞こう!な!
母さん、座って!!
亜依里… 理由は?」

「……」

「黙ってたらわからないでしょう!!!」

「母さん!!怒鳴るなよ
何も言えなくなるだろ!?」

「あのね……
花菜ちゃんのバイト先に
あの人よく来るの
女の人連れて……
それでね……
花菜ちゃんのこと口説こうとして
親分さんが間に入って止めてくれたの」

「花菜…バイト復帰してたのかよ
んで?亜依里は、何で知ったんだ?」

「親分さんから、危険人物写真を見せて貰ったの
私がバイトの時も、口説いてきたの
私、あの人やだから!!」

「亜依里もバイトしてんのかよ!!」

「毎朝起きたら、どっちがバイトに行くか
メールするの
だいたい3日に1回、私なんだけど
お母さんにこの話をしたいって
親分さんに伝えてて
昨日、花菜ちゃんに言ってくれて
親分さん、今日は休んでいいって!!
だから、お母さんを連れておいでって!」


親分さん……って

大丈夫かよ


「亜依里…なんのバイトしてるの?」

母さんが先に質問した


「ガソリンスタンドと喫茶店だよ」

「2つも!?」

「どちらも親分さんの店なの
掛け持ちだと毎日働けるでしょ?
花菜ちゃんが、色々気を利かせてくれて
夜とか、休みの日とか一緒に過ごすように
言ってくれてるけど、バイト終わったら
寝ちゃって…えへへっ そういえば
久しぶりだね!!」

本当……亜依里の馬鹿な話し方

久しぶり


「母さん、親分さんとこ行こうか
話を聞いてみないと」

「そうね……私ったら、舞い上がっちゃって
こんなことで、亜依里を死なせてしまったのね……」

「お母さんったら、私は花菜ちゃんのおかげで今もここにいれるのよ!
いなくなったみたいに言わないで!」