第3回

両家の顔合わせ


今日は、うちに井原家が来た

「花菜… いつまでお世話になるつもりだ
帰ってこい!!」

「死ねばいいって言ってたよね?」

「言ってない!!」

「言ってた!!
病気なんか…なって迷惑な奴だ
死ねばいいって言った!!!」

「言ってない!!病気は、治ったんだろう
いいじゃないか!帰ってこい!!
他人に迷惑かけて、恥知らずが!!!」

「あたしのことが恥ずかしいなら
2度と関わらないで!!!
あんたらなんか、ただ血が繋がってるだけ
家族なんかじゃない!!!」


父親と花菜のバトルを冷や冷やしながら

見守る


話が平行線をたどり

井原家が帰ることに


母親が


「病院通いなさい
支払いは、私がするから
移植後はね、拒絶反応が出ないように
一生薬を飲まないといけないのよ」

「手術から2カ月経って言う?
今更、通わねぇよ!!亜依里と仲良くやってるから、ご心配なく!!
たとえ、通うとしても、あんたらの世話にならないから
あたしは、死んだと思ってよ
2度と関わらないで!!!」


朔哉が、がっつり落ち込んでいる


俺だって、間に入ることも出来なかった

親父さん怖えもん


井原家を見送り、部屋に戻ると

「なるべく早く出て行く
迷惑かけて、ごめんなさい」

「何言ってんの!?花菜は、気を使いすぎ
ずっといてちょうだい!
明日、午前中であがらせて貰うから
午後から一緒に病院行きましょ?」

「………行かない」

「花菜 母さんがついてるから怖くないぞ」

「べっ 別に怖くない!!」

「じゃあ 行ってこい」

「行きましょ!!」

「もし…… 良くなかったら?
そしたら…… 
ごめんなさい
何でもない……」

「変なこと考えんな?
母さんと俺が面倒見てやるから!
花菜が病気に負けるとか、想像出来ねぇ
なぁ 今日は、外食しようか」

「良いわねぇ~花菜、何食べたい」

花菜の目から、ポロポロ涙が落ちる

「亜依里の泣き虫」

「亜依里のせいにすんな!花菜の泣き虫!」

「うるさい!!伊緒里のバカ!!」

「あ?良いのか?俺、名案があるんだぞ?」

「……聞いてやる」

「お前なぁ」

「聞いてやる!」

「今日から、3人で寝ないか?」

「いいわね!!」

「別にいいけど…」  



本当、意地の塊




毎晩、トイレに起きるけど

それまでに花菜が風邪をひいたら大変だ





外食して、母さん 花菜 俺 

川の字で

寝た


途中、やっぱりトイレに起きた


隣で、スヤスヤ眠る花菜がいて安心した




花菜がうちに来て、泣かずに寝た

初めての夜だった