「ただいま」

あれ?靴は、あるけど……


花菜を探す俺の後ろを朔哉が、ついてくる


「花菜~いないのか?」


線香のにおい…


「いるなら、返事くらいしろよな!?」


花菜は、仏壇の前に座っている

線香が無くなりかけで、花菜は

線香を見つめて泣いてた


「脳を移植したらよかったのに…
亜依里が生きてた方が、よかった…
そうでしょ?伊緒里…」

「俺は、亜依里にも花菜にも生きてて欲しいから、今めちゃくちゃ嬉しい
亜依里が事故に合わなかったら
花菜に、出会えてなかったし
花菜が亜依里の心臓を貰ってくれたから
花菜の中に亜依里が生きていること
わかったんだろ?
もし、脳移植なんてしたら
後遺症とかで、会話も出来なかったかも
俺は、花菜に感謝してる
亜依里と生きて欲しい」

「亜依里だけでいい……
いらない……亜依里に全部あげる……」

「花菜…」

朔哉が花菜の背中に頭をぶつける

「うわっ!!おどかすな!!
朔哉!!いたのかよ!!あーー
お前せいで、線香が目にしみたじゃねぇか
ばあーーか!!」


花菜が、逃げて行った


「はははっ 意地の塊だな
線香が目にしみるかよ!?なぁ?」

「花菜は、俺の妹なのに!!」

「だからだよ!
兄妹だから、弱音吐けないんだろ?
俺には、弱いとこ見せても
つっぱってる手前、お前にヘラヘラ出来ないんだろ?本当は、甘えたいんじゃねぇ?
病気になって、いっぱい我慢したんだろ?」

「俺…気づいてやれなかった…
花菜が、1番辛い時に、味方になってやれなかった
伊緒里…
花菜のこと、よろしく!!
また、遊びにくるわ!!」


「おう!!」




翌日


朔哉が語ってくれた



「花菜が朔ちゃんって、呼ばなくなった日
俺が花菜に、あっち行け!って怒鳴ったんだ……受験で、イライラしててさ
よく、考えたら…
花菜も受験で…なのに、俺は
自分のことばっかりで……
△女子高の制服を着たいって……
ずっと言ってたのに…」

「あっ…それなら、この前
亜依里の制服着て、はしゃいでたぞ!?
……ほらっ!!」

 
母さんから、送られた写メを見せた

「伊緒里!!俺にもくれ!!!」

俺たちは、かなりの妹バカだ

会えばだいたい妹の話


もう、亜依里はいないのに

花菜がいると、亜依里がいる

花菜が笑うと、亜依里が笑う

花菜が亜依里を生かしてくれている