勢い良く井原家を出て

「伊緒里とそっちは、何?」

「母の志緒里です!」

花菜ちゃんにマジビビりの母さん

「あの家にいたくないの…
すぐ住むとこ探すから、迷惑だろうけど
置いてくれない?」

「うちは、構わないわよ!」

「ありがとう!!志緒里!!」

「しっ……しお……」

「まあまあ 若い友達が出来たと思えば?」

強烈だけど…

なんか…

見た目にピッタリな花菜ちゃんが

案外しっくりきてる




家についてから

勝手に冷蔵庫を物色

「おい!伊緒里!!買い物行くぞ!!」

「花菜ちゃん!!お客様なんだから!
買い物とかいかなくてもいいのよ!?」

「あたしは、泊めて貰うかわりに家事をする
そのうちバイト復帰して、部屋借りて
出てくまで、志緒里は、気をつかうな!!
あと、ちゃんづけやめろ!!
キモイ!!」

「はい」


近所のスーパーに来た


「花菜、料理出来るの?」

「まあね
亜依里は、どうだった?」

「才能なし」

「意外… こういう服選ぶ子は、女の子らしさ全開だと思ってた」

「不器用で、センスもないんだ…
摩訶不思議な料理…無理しても食べられなかった」

「あははっ そんなに?」

「写真撮っときゃよかったな…」


買い物しながら、くだらない話して
それがすごく楽しくて

「伊緒里みたいなのが彼氏なら、幸せになれそうだな」


不意にそんなこと言うから

立ち止まる


「どうしたの?歩けよ!!」


世間話なんだな……

勝手に、告られた気分になって照れる


「伊緒里… あたしなんかが亜依里の心臓
貰っちゃって……ごめんね」

「花菜でよかったって、思ってるよ」

「そう?」





花菜の料理の腕前は、母さんより上だな


「美味しい!!!」

「当たり前だろ!!」


その自信も凄いけど、花菜らしい

後片付けもしてくれて

その間に母さんが風呂へ


「花菜 お風呂どうぞ」

「伊緒里 先入れよ
明日、学校だろ?」

「男の後に風呂とか、嫌じゃない?」

「ぷっ 
伊緒里…亜依里にそんなこと言われたの?」


「言わないけど、年頃の女の子って
そうかなって……」

「変な気使ってないで、さっさと入れ!!」

なんつーか、男前だな