また歩き出したら
今度は横に並ばれた。
ぶんぶん手を振りながら歩いてたら
手を繋ごうとしてくる。




「触らないで」




言って後悔?
…してるわよ。
別にツンツンしたいわけじゃない。
確かにいつも素直じゃない。




分かってる。
こんな彼女嫌だよね?
いつか嫌われちゃう。
って!今か?今嫌われちゃう?!




あわわ、どーしよ。
どーーしよーーー!!




「ほら、手」




うぅ、、
なんか嬉し恥ずかし涙出そうです。




「…ん」



こんな返事しか出来なくてごめん。
でもこれ精一杯!!



「あっ」
「なに?」



彼が何かを指差したから、
何?って視線で追いかけて。



ちゅ、て。
頬に柔らかい感触。




「…!!!」




って、何してくれとんじゃーー!
さっきからこっちはいっぱいいっぱい
なのに何その「してやった」って顔!




恥ずかしさと困惑と何かで
さっきまでの怒りも吹っ飛んでった。





茹で蛸並みに真っ赤。
どーしてくれよう。




「バカッ」
「バカじゃないよーだ」



ニシシって笑うから、
その顔にきゅんとした。
ちくしょう、上手いな。




「…ふんっ」




悔しくて顔を背ける。
ううん、違う。
本当はね?




ニヤニヤが止まらないんです。




私は理想の彼女とは程遠いと思う。
ツンツンしてばっかりで、
全然素直じゃなくて。
こんな彼女でごめんね?
外見はこんなだけど、実際は




「あー、もう可愛すぎ」




そう言って頭を撫でてくれる、
あなたに一生懸命恋してる女の子なんです。







fin