「ほら、手」
ちょっと強引に手を繋いだら。
「…ん」
ちょっと頬を赤くして、
顔を背けながらもちゃんと手を繋ぐ。
うわー、何コレ。
何この生物。
こういう、いつもツーーンな彼女さんが
たまに見せる「しょーがないな」って
顔とかデレ要素とか。
超かわいーーー!
「あっ」
「なに?」
きゅんきゅん値急上昇の僕は、
彼女の少し赤くなった頬にキスをした。
「…!!!」
茹で蛸並みに真っ赤。
あーもう。可愛い。
「バカッ」
「バカじゃないよーだ」
ニシシって笑ったら、
眉を八の字にしてちょっと困り顔。
「…ふんっ」
あーあ、またツンツンし始めちゃった。
でも、手は繋いだままなんですね。
我が家の猫は気ままだ。
だけどそこが大変に愛おしい。