(大杉はマジだな…このまま水橋さんを大杉にとられたら…俺は…)

(大杉は水橋さんに俺の気持ちを話してしまった…)

(俺の告白に対する返事はどうなんだ…?)

(ん~、今それを聞くべきなのか…?)

俺が悩みに悩んでいるなか、音楽室に空白の時間が流れていた。

俺が空白の時間を作ってしまったのがいけなかったのか…水橋さんが思いがけないことを口にした。

「夏休み、海行くんでしょ?」

「えっ!?あっあぁ…えぇ…あ~…」

「行くんでしょ?女の子たちと。」

「い、行きます…」

「楽しそうね~」

水橋さんの目はやらしい男を見る目…そんな感じだった

「あっ!!水橋さんも一緒に海行こうよ?!」

俺は思いつきで言ってみる…それは緊急回避のようなものだった。

「……え。」

するといつもは冷静な水橋さんが少し驚いた表情に変わる。しかしそれは一瞬にして冷めた表情に変わった。

「私…海嫌いだから…」

そう言うと水橋さんは音楽室のドアの方へ歩いていき、ドアの鍵に指をかけた。

「それじゃあ…」

『カチッ』

水橋さんはドアの鍵を開け、音楽室を後にする。

俺は呆気にとられていた。

何か気に障ることを言ったのだろうか…

いや違う…

水橋さんは何かを隠している…そんな感じだった