下ネタ地獄


「夏休みの予定?」

「うん♪どこかに出かけたりしないの?」

「そうだなぁ…特に決まってないけど。」

「私たち夏休みに泊まりで海に行くんだ♪」

「へーそうなんだ。楽しそうだねー。」

俺は味気無い返事を返す。

「良かったら月見くんも一緒に来ない?」

「えっ!?」

まさか誘われるとは思っていなかった俺は、一気にテンションが上がる。

「月見くん…来てくれるかな?」

俺に迷いはなかった…

「いいともー!!なんつってー」

「やったー♪じゃあ、また連絡するね♪」

俺は残りの昼休みの時間も女の子たちとの会話を楽しみながら過ごした。

それにしても楽しい時間は早く過ぎてしまう…女の子たちは昼休みの終わりを告げるベルが鳴ると、机とともに居なくなった。

そして午後の授業が始まる。俺は授業に集中できるわけもなく、ただ頭の中は女の子たちと海に行くことでいっぱいだった。

(女の子たちと海…男は俺だけ…しかも泊まりで…まさに天国!?)

こんなことを考えながら、5時間目の数学は全く話しを聞いていなかった。

そして本日最後の授業、古典…

(夏休み~♪早く来てくれ~♪夏休み~♪)

我、心ここにあらず。そんな感じだった。

全ての授業が終わり、俺は帰るしたくを済ませ、廊下を歩いていた。もちろん海のことを考えながら…

(泊まりって…部屋どうするんだろう…もしかして!?一緒の部屋で寝るのか!?)

(まさか…それはないよな~。いやでも…)

俺は廊下を歩きながら、これでもかというぐらいニヤニヤしていた。その時…

『ガッ!!』

「えっ!?」

俺は強い力で腕をつかまれ、誰かに廊下を引きずられる。

(誰!!??…だよ!?えっ!?水橋さん!?)