女子のお弁当は、男子のお弁当より可愛いらしい。
俺は水橋さんのことを完全に忘れて、タコさんウインナーを見ていた。
「月見くん、お箸持って来てないの?」右隣りに座っている女子が俺に聞いてくる
「あっそうだ。お箸持ってきてないや…学食で割り箸もらって来よっかな。」
そう言って俺が席から立ち上がろうとした、その時、右隣りの女子が俺の腕をつかんだ。
「いいよ!月見くん。私たちが食べさせてあげる♪」
(いやーそれはマズいってー!!)
さすがの俺も今日初めて話した女子に、お口アーンをするのは恥ずかしすぎる。
「ちょ、それはダメだって!」
完全に拒否する俺…しかし女子たちは、俺を席に座らせ強引にタコさんウインナーを俺の口元に持ってくる。
「はーい月見くん。アーンして♪」
「ごめんマジで無理!!」
俺は、目と口を固く閉じ拒否を貫く…
「アーンして♪」
「………。」
俺は目を少し開けた。そこにはタコさんウインナーを食べさせてくれる女の子がいる。しかも上目遣いで
俺の心の中で何かが折れた…
『………パクッ。』
「おいしー?」
「おいしーです…」
そして俺は女子たちのお弁当を堪能した。食べ終わった頃には恥ずかしさも消えて、俺は調子に乗っていた。
「ウサギさんのリンゴ美味しい!」俺は笑顔でデザートを食べる
「ありがとう♪リンゴをウサギさんの形に切ると可愛いよねー♪」
「あっそういえば、もうすぐ夏休みだよ♪月見くんは夏休み何か予定とかあるの?」
